脳出血の後遺症の一つ、高次脳機能障害について

高次機能障害という言葉を初めて知りました。

当の兄は失語症という症状があるため、私は高次脳機能障害です。失語症があります。と周りに伝えることが出来ません。

でも、パッと見てどうでしょうか?

兄にそのような障害があるように見えますか?

そのような種類の障害があるということすらあまり知られていないません。

リハビリセンターに入院中は周囲の理解があり、周りから声を掛けていただいたり、気遣っていただけていました。

退院して、病院から出ると、そこは、高次脳機能障害や失語症という病を知らない、兄のことも知らない世界に放たれます。。

高次脳機能障害とは

脳出血などの脳卒中や交通事故なのどの脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を言います。

全国に30~50万人いると推計されています。

高次脳機能障害の当事者となった社会派ルポライターの鈴大介さんの記事がありましたので参考にさせていただきますと、

高次脳機能障害を簡単に言いえば、

日常生活の「当たり前」が全滅する障害。「当たり前」とは、病前は無意識に行っていたこと。何も考えなくても脳が自動的に情報を処理してくれて、やれていたこと、それが出来なくなるということ」

症状としては「記憶障害」「注意障害」「失語」「遂行機能障害」「社会的行動障害」などが出るといわれているが、症状や障害の重さは個人差がある。

鈴木さんの出来なくなった「当たり前」

  1. 人ごみを歩く(上手に人を避けられない)
  2. 自然な会話をする(相手の会話のスピードがとても速く感じて話についていけない)
  3. スケジュールを立てたり組み替える
  4. 多くの物の中から特定の物を探す(テレビのリモコンからあるボタンを探す作業など)
  5. 気持ちを平静に保つ

これらの行動が困難だそうです。

情報処理、必要な情報、不必要な情報を選抜し、必要な情報だけを拾うことが困難で、情報処理に時間がかかり、疲れて、集中が途切れてしまう。

私が今把握している兄の出来なくなった「当たり前」

  1. 自然な会話。(書字も困難です。)
  2. 音楽を聴く。(情報処理が多くて疲れるようです。)
  3. 携帯の操作(架ける、切るなどの操作、入院中リハビリで練習しました。)
  4. 気持ちを平静に保つこと(全く泣いた顔を見たことなかったのに、泣くことがとても多くなりました。)

個人差はあるものの、こうした症状はリハビリによって改善されるようです。

ホワイトボードを補助的に使い会話しています。

知られていない高次脳機能障害という見えない障害

医療従事者や福祉関係者ですらこの障害を知らない人もおり、周囲に障害の名前すら知ってもらえない人が多くいるのが現実だそうです。特に外見では障害が分からない「見えない障害」であることが大きな壁になっていると鈴木さんは記述しています。

  • 早口で話しかけないこと
  • 指示や連絡事項は簡潔に伝え紙にも書いて渡すこと、
  • 本人を慌てさせないこと

などの配慮が必要であることはほとんど知られていない。

それ以前に「なぜそれしかできないのか」「なぜそんなにやる気がないのか」などと人間性を否定されてしまい、職場で担当を外されたり、家庭内やコミュニティーで居場所を失って孤立してしまう人が少なくない。

当事者や家族の願い

鈴木さんは続けて

「周囲の方々へのお願いとして、当事者について、病前の知識や経験、思考力、パーソナリティーの核となる部分がどの程度残っているかを見極めたうえで、最大限の環境調整をしていただきたいです。落ち着いてゆっくりやれば出来るのに、簡単な作業しかやらせてもらえないという当事者たちの悲鳴をたくさん聞いています。簡単なことしかできない人間と決めつけられるのは、残酷なことです。」と記述されてます。

鈴木さんは記事の最後に

「見えない」障害だからこそ、健康な我々が「見ようと」しなければ何も変わらない。この障害に苦しむ30万人以上の当事者やその家族は、少しでも現実を知ってほしいと願っていすはずだ

と締めくくられてます。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20201226-00000018-sasahi-life

私も当事者の家族になり初めて「見る」ことになりました。

なぜ兄がこの病に罹ることになったのか・・・。

この病気を一人でも多くの方に「見て」知っていただくことで、高次脳機能障害障害がある方の孤立、誤解、悲しい思いが減っていくことを願わずにはいられません。

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コメント

  1. 母です
    単語からの再出発です。
    動物園、植物園、乗り物などの絵文字を使った単語や動きなどをラインのメールで毎日やり取りしています。1ヶ月近くになりますが最近、入力が速くなり私の方が慌てて返信してます!

  2.  一生懸命にリハビリに取り組んでますね。岡山から応援しています。髪が伸びてきていますね。昔は髪をさわられるのがいやで、お母さんに切ってもらっていたのを思い出しました。フォローの仕方がわからないので、後で息子に聞いておきます。

    • 桃太郎様 応援コメントありがとうございます!リハビリはとても頑張っています!
      特に言語についてはコミュニケーションを取りたいという気持ちが強いので、入院中も看護婦さんに休むように声をかけられても、休まなかったそうです。
      髪の毛については、今日弟が兄の髪を切りに行っているようです。またさっぱりした様子をアップさせていただきますね☆
      今後も応援よろしくお願いいたします。

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