兄の失語症の現状について

ひらがなに苦心する兄

漢字はある程度書けてきているように思います。

漢字を見て何を伝えようとしているのかは分かるといいます。

言葉を発すること漢字を声に出して読むこと平仮名の読み書きが難しいようです。

「あいうえお」表を見て、「え」を指して「え」と発音する。

「あ」を見て「あ」と発音するのが難しいのです。

ひらがなの発音の練習は母を捕まえては1日に2回、3回しています。

終わった後、言語プリントをするのですが、また平仮名が書けず、

「ここが無いのよ」と困った顔をして私に言います。これはよく兄から出る言葉です。

そして、「困ったなあ」と言いました。

「平仮名が難しいよね、でも確実に言葉増えていってるよ。」

「そう?」

「だって、困ったなあって言葉、お兄ちゃんから初めて聞いたよ!」

そう言うと、兄は笑っていました。

散歩中の言語リハビリ

表札も今日読めた名前が、次の日は読めなかったり、今日読めなかった名前が、次の日には読めたり、それを繰り返しています。

でも、着実に読める表札が増えてきていると感じます。

兄は読めたとき笑って嬉しそうです。読めなかったときは、少しがっかりして「そうかあ」と言います。

それでも、毎日、毎回散歩の時に表札を読むことを止めません。

私だったら、あまりにも少しづつの前進に気づけなくて、心が折れて、表札を見ることも、外に出ることも嫌になるかもしれません。

しかし、兄は止まりません。苛立ちを見せることも塞ぎ込むことも無く、自分から諦めずに前を向いて進んでいます。

脳のメカニズムの不思議

先日、新聞を読んでました。

コロナのワクチン接種開始の記事でした。

兄に、「だいたい漢字を見れば内容分かるの?」と聞きました。

「うん、分かるね。」

「コロナのワクチンの内容だよね。」

「そう。」と言って、読んでいる場所を指でさしました。

新聞には漢字や平仮名が入り乱れていますが、声に出して読めないものの、頭の中では内容を理解出来ているそうです。

脳のメカニズムの関係なのでしょう。つくづく不思議です。

春の散歩を楽しませてくれた花々や鳥の声

春の散歩は桜が少しづつ開いて、散っていく様子を目で楽しみ、鳥のさえずりを耳で楽しむことが出来ました。

散歩の途中で気晴らしに喫茶店に寄ったとき、「贅沢な時間の使い方だよね」と話しました。

兄は頷いて笑っていました。

初夏の散歩の楽しみを探しながら、暑さに負けず、続けていきたいと思います。

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コメント

  1. 頑張れー!けっして焦らず、ゆっくり着実に一歩ずつね。確実に前進してるから。

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