話す側面
喚語困難
言いたい言葉が出てこない(例)朝、「おはよう」と言いたいのに何といえばいいか分からず出てこない
兄の場合は、「ティッシュ」がなかなか出てこなかったですね。すぐ私の横にあるから取ってほしくても名前が出ず、私も何を欲しているのか分からず、諦めて自分で取りにいっていました。
「箸」や薬を飲むときの「水」なども出てこず、黙って自分で取に行ってました。
あと、お散歩に行きたいときに「散歩」が出ず、苦肉の策でしょうか、愛犬を指さし「ポメ」と言っていました。時間帯と「ポメ」で私も、「散歩」と分かるようになりました。
錯誤
言い間違えて別の言葉を言う(例)みかんを見て「みかん」と言うところを「りんご」と言ってしまう
錯誤については「脳出血後遺症」で出している動画にもありますが、紙に「ぬ」とだけ書かれたメモが出てきて、その紙はいったい誰が何のために書いたのか妹の私と母が聞いている動画なのですが、
そこで兄はしばしば「ぬりえ」と言っていました。本当は違うことを言いたかったのではないかと思います。動画を添付しているので、ご覧いただけたら幸いです。
「ごちそうさま」などの日常の挨拶がなかなか出てこなくて「いただきます」と誤って言うこともありました。
ジャーゴン
意味が分からない発話になる。
これは兄はなかったのですが、音の誤りが多すぎて意味を推測することが困難なことです。
失語症の方に確認したいときは、「はい」「いいえ」で答えられるように質問するのがいいそうです。
とは言え、「はい」になる答えに導くことは状況によっては簡単ではありません。
失語症の方が心境を描いた絵
失語症者向け意思疎通支援者養成講座の先生がおっしゃっていましたが、
失語症の方が心境を絵にかいて見せてくれたことがあったそうです。
その絵は、陸から離れた島に一人でポツンと座って、海をの向こうの離れた陸を眺めている絵だったそうです。
一人でポツンと座っているのが失語症ご本人なのですが、ご家族でさえ、同じ島ではなく、離れた陸にいるのだそうです。
一人ぼっちな気持ちがなんとなく伝わりました。
家族や友人が近くにいたとしても、言葉が通じない失語症の方にとって、心は一人ぼっちなんですよね。
そんな心境の兄を含めた失語症の方は、伝えたいことが伝わった時、分かろうとゆっくり向き合ってもらえた時は少しでも一人ではないと思ってもらえるのでしょうか。
分かろうとしてくれたけど、分かってもらえず、自分を責めてしまいイライラしたり、途中で諦めてしまう方も多くいらっしゃるそうです。
ですが、養成講座には毎年失語症の方とコミュニケーションを取る時間があるそうで、その時に実際失語症の方が数人ボランティアで来てくださり、楽しみにされているとのことでした。今年はまだか、来年も呼んで欲しいと言われると伺いました。
失語症者の人数は全国に50万人と言われています。しかし、その数の割に認知度はまだ低いです。
失語症についてもっと理解が広がることで、失語症の方がポツンといる離れた島に少しづつ人が増えていくといいなと思いました。
コメント
こんにちは。後輩Nです。
YouTube、ブログともに見させてもらってます。
失語症について、私は何も知らず、こちらで教えていただいた知識がほぼ全てなのですが、前回の「10の質問」には9問正解できました。
きっと、同じような状況の方にも有力な情報源になると思います。
「ぬ」の件も正にそうですが、事象が理解できてもなかなかご本人の言いたいことに辿り着けないのがもどかしいですね。「ぬ」の件では、何度見てもここまで辿り着いた探偵の手腕に拍手です。
実はお兄さんも、貰ったのは覚えているけど何だったっけ?という相談だったりして(笑)
ブログでもYouTubeでも、またの更新を楽しみにしています。
後輩Nさん、こんにちは(^^)/
コメントありがとうございます♪
9問正解だったんですね!素晴らしいです。私も少しは失語症についての情報提供に貢献できているのでしょうか。
後輩Nさんも、お付き合いいただきありがたいです。
そうですね、あと少しが余計もどかしかったりするんですよね。
分かってあげたい気持ちが焦りになってしまったりします。
当事者の方は相手の表情を見ているそうなので、
顔に残念な表情や苛立った表情は出ないように気を付けないといけないみたいです。
ゆっったりした気持ちで聞いていくのがいいとは頭ではわかっているのですが。。。
私はどんな顔で尋問していたのでしょうか( ;∀;)
妹さん、こんばんは。
私の知識はコチラのブログ&動画の賜物です(笑)
言われてみれば納得ですが、当事者の方も相手に気を使って表情を見ているのですね。
事件解決を目指す探偵さんは凛々しい顔をしてそうですね。お兄さんにも真剣に対応していることが伝わっていると思いますよ。なによりも、少しずつわかってきたときの嬉しそうな声を聞くと、きっと笑顔の印象が強かったんじゃないでしょうか。
お兄さんもいい笑顔でしたね♪
後輩Nさん、ありがとうございます(*^-^*)
このブログや配信している我々の動画で、
後輩Nさんのように失語症や片麻痺、脳出血後遺症について知っていただける方が増えていくことは
兄も私も家族も本望であり、もとても嬉しいことです☆
そうですね、30年されているという言語聴覚士さんに、身内ならまだしも、他の方の話したいことをキャッチできるか不安だと話した時、
でも、通じ合った時の喜びが大きいんだよね。と言われました。
私も、兄の話したいことが分かったとき、兄も私も笑顔だったことを思い出しました!